政治のお悩み相談所:大学院の物事

政治とコミュニケーションについて研究している博士課程所属のものです。大学はカンザス大学。テクノロジーと政治、政治的分断、ソーシャルメディアによる日常生活と政治の重複などに関心があります。文系・社会科学系大学院生として発信中

共同研究の罠

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。 社会科学や文学系の研究は単著よりも共同研究で行われていることが多いように見えます。理系はどうなんでしょうか?共同研究が多いかもしれません。 タイトルにもある通り、共同研究と学びについてです。 …

中立=何も考えていない。政治的中立は思考停止(日本とアメリカ)

中立=何も考えていない。多様な意見を取り入れ、理性的選択を心がけている私にとってつらいです。政治的イデオロギーや感情が極端化していく、いわゆる政治的分極化が日本でもアメリカでもみられます。 今日ある右翼系ユーチューブ番組をみていたらこんなや…

政治に興味を持つきっかけがやばかった件

大学院で政治とコミュニケーションについて勉強と研究をしている25歳、独身、彼女無し、の僕。 政治に興味を持ったきっかけが桜井誠氏。数年前に東京都知事選に立候補者としていた。「誰?」って思った方、ぜひググってみて。かなり過激だから。イメージと…

Facebookのデータ収集について(英文記事)

2018年にニューヨークタイムズと英国ガーディアン紙が報じたケンブリッジ・アナリティカのデータ不使用問題からこれまで、フェイスブック使用者の個人情報取扱いについてアメリカでは毎日新しい情報がアップデートされています。個人データの使用をめぐる問…

論文ライティング(テンプレート)

社会科学系の論文構造を分析して使いこなせるようになろうという思いで始めた論文ライティング企画。本日は第2弾です。 分析する論文Kim, N. (2016). Beyond rationality: The role of anger and information in deliberation. Communication Research, 43,…

ライティングについて

英語の検定試験(IELTS/TOEFL IBT)や論文執筆で欠かせないのは書く力です。一年くらい前までしっかりとした型を意識しないで英語でライティングをしてきました。ここ最近になってある程度文章には段落ごとに役割があることや一段落で書くべきことなどを知り…

論文を読むこと・書くこと

論文を毎日欠かさず読むことは大学院生や研究者の日課だと思います。しかし、最近論文を読んでいて思うことがあるんです。論文を書く為に論文を読んでいるつもりでも、果てしない数の論文に圧倒される。例えば、選択接触(selective exposure)というテーマを…

ローラさんの政治的ツイートから考えるべきこと

政治コミュニケーションを研究・勉強しているとソーシャルメディア(Twitter, Facebook, Snapchat, Instagram)と政治に関する研究に触れます。これまで読んできた論文では主にソーシャルメディアでは政治的熟議(deliiberation)が行われているのか、政治的発…

修士論文(selective exposure)

現在、冬休みの最中。 私は修士論文に取り組んでいる。 今年の目標は最低3本の論文(自分の研究についての論文)を毎日読むことそして、休日は5本。冬休みなので、10本いけるか試しにやってみたけど7本で力尽きた。 今日読んだ文献: Prior, M. (2009).…

英会話は言い回しを増やすべし!

「意味がわからない英語でもそれをリピートしていくことで、英語の回路ができ、赤ちゃんのように言語を学ぶことができます」 これ、信じられますか。 あくまで、私の経験から言うと、まずあり得ないと思います。しかしながら、多くの方は興味を惹かれるでし…

英語学習本に頼りすぎるな!

世の中には、数え切れないほどの書籍がありますが、その中でも、英語学習に関する本は本当に多い気がします。さて、あなたが今、購入しようとしている英語学習本は、本当に役に立つのでしょうか?この記事では2つのことに注意をして欲しいのです。一つ目は…

スペシャリストとジェネラリスト

この日記はこれから大学院へ行きたい方、もしくは修士1年目向けです。あとは読書する人向けです。おそらく読書している人はいろんなことに興味を持っていることでしょう。では早速。 読書をしている方、大学院で研究をしている同志。あなたは専門家になりた…

フェイクニュースと民主主義

最近はジャーナリズムに関する本を読んでいます。そこで去年から今年にかけてフェイクニュース(嘘ニュース)が大問題となっています。2016年アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏がCNNニュースなどを批判しているというのは日本のテレビでも新聞で…

メディア・リテラシー まずは自分を磨くことで淘汰を促す

たったひとつの「真実」なんてない: メディアは何を伝えているのか? (ちくまプリマー新書) - あなたは今日、テレビもしくはYouTube動画を何時間見ましたか。映像メディアは情報量が新聞、雑誌、本よりも明らかに多いです。見ていて楽しいです。ほぼ毎日、私…

文系か理系か。真理を追い求めるには

文庫 若い読者のための第三のチンパンジー (草思社文庫) - 高校時代に迫られる選択の一つに文理選択がある。この選択は割と早く決断が求められはなから決まっていれば選ぶことに迷いはないと思われる。しかしながら、文系も理系も好きな生徒やどちらも点数が…

パブリック・スピーキング オススメ本

カーネギー話し方入門 文庫版 - 友達との会話の中で、どれほど正確に相手の意図していることを理解できていると思いますか。ほとんど理解できていると思える会話は多くあると思いますが、実は、お互いに違う解釈をしてしまっているケースは意外にあって後に…

『シェアハウス わたしたちが他人と住む理由』

シェアハウス わたしたちが他人と住む理由 - 「明日から友達と一緒に生活しなさい。」「あなたが会ったことない人が住んでいる家に住むことになったから。」そんなことを家族から言われる。もしくは、身内の人からそう打ち明けられたとしたら。あなたはどう…

『日本の「安心」はなぜ、消えたのか』 生きづらさの正体はなんなのか。/動画告知

日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点 - 池袋にある某書店で購入する本を狩っている最中、現代日本を表す書籍特集が組まれており、書店員さんが選んだ本が本棚に並んでいた。普段の生活からもひしひしと感じる疑心暗鬼な世…

コミュニケーションに対する思い

ここ2ヶ月、読書量が増えました。増えたおかげで、読んだ本全て書評をつけていくのが困難になってきました。またこの2ヶ月、コミュニケーションについて改めて考える充電期間とでも言える月日が流れました。 ただ、サボっていたなんて誰にも言えるわけない…

コンビニ人間 村田沙耶香 を読んで思うこと。

ある書店のポップに惹かれてコンビニ人間を購入した。そのポップは普通とは何かを考えさせられるというものだった。私の性格は普通ではないのでとても惹かれた。他の人と同じことをするのが嫌で幼稚園の時から目立つこと、そして他の園児がやっている時にや…

「書評」本を読む人だけが手にするもの 藤原和博

著者の藤原氏は、Youtubeの動画で、教育改革をテーマに講演をしているので見たことがない人はぜひチェックをして欲しい。現在の、詰め込み型の教育だけでなく、想像力(考える力)を育むことの必要性をといています。20世紀の成長社会から21世紀の成熟社会へ…

「書評」「意識高い系」の研究 古谷経衡

最近、同世代や周りの人と比べて、明らかに、読書量が増えてきています。読書は主に研究所や新書で教養を身につけることが多いです。気をつけなければならないのは、自分が、他の人よりも時間を有効に使っているという優越感と知識が増えることで生まれる勝…

翻訳できない世界のことば エラ・フランシス・サンダース、前田まゆみ訳

ちょっと、皆さん最近コミュニケーションの質にこだわってますか。 朝日新聞 3月5日付 で、埼玉県内の高校図書館の司書さんが2016年に出版された本から高校生に読んでもらいたい本をランキング化し、動画投稿サイトやホームページで紹介する働きが紹介…

大学と奨学金と私

先ほど、朝日新聞の天声人語を読みました。内容は大学への奨学金一色。ある大学教授の調査で、税金を投入すべき分野がわかったそうだ。 1位に医療・介護がおどり出る。2位が年金、3位に教育だそうだ。 お金が問題で大学入学を取りやめる。奨学金を借りて…

「Against Empathy」 Paul Bloom と コミュニケーションについて思うこと

こんにちは、昨日Against Empathy というイエール大学の心理学教授 Paul Bloomが書いた本をざっくりと読みました。 Against Empathy: The Case for Rational Compassion - 感情が先走る私にとって刺激的な内容でした。まず「共感」は必ずしも論理的ではない…

アクティブリスニング なぜかうまくいく人の「聞く」技術 谷本有香

アクティブ・リスニングという言葉。初めて聞きました。アクティブリーディングは聴いたことありますが、皆さんは、どうですか。 先週の日曜日にリスニング「聞くこと」に関する本を書店で購入してきました。本日は、その中の一冊です。 アクティブリスニン…

2冊の書籍から思うこと。

最近、塾で生徒の指導を行っているのですが、成績が伸びず、私自身に焦りがあります。成績が伸びないのは単に、宿題をやってこなかったり、勉強量が極端に少ない場合が多いと思われますが、根本的に人間嫌いという私の性質が生徒に対して申し訳ないと感じて…

コミュニケーションの効率性について

こんばんは、最近、ブログの方で書評を書くだけでなく、私なりに、コミュニケーションについて思うことを描いてみたいと思います。 アメリカの文化人類学者・異文化コミュニケーションの父と言っても過言ではない、エドワード・ホール博士は日本人のコミュニ…

 特別講義 コミュニケーション学 藤巻幸夫

こんにちは、いかがお過ごしですか。本日は、ブログタイトルにふさわしいテーマの本を一冊紹介します。 特別講義 コミュニケーション学 - 日本は社会格差も大きくなってきており、社会的に個人主義化が顕著に見られるようになってきた。そこで著者は「求心力…

 わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か 平田オリザ

久しぶりの投稿となりました。冬期講習が昨日終了し、自分の時間ができましたので早速、読書。 生徒に英語を教えていると毎回思うのがコミュニケーション能力。英語検定の会話文問題で適切な応答を選ぶ問題があるのですが、苦戦する生徒が多いように思います…