共同研究の罠
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
社会科学や文学系の研究は単著よりも共同研究で行われていることが多いように見えます。理系はどうなんでしょうか?共同研究が多いかもしれません。
タイトルにもある通り、共同研究と学びについてです。
結論から申しますと、どのように共同研究を行うかによって全く自分が学べなかったり、その論文が採択された時にあまり喜べません。満足感(達成感)が極端に減っていくのです。
共同研究といっても何を、どのようにに行うかはそのグループによってきます。学びが大きく、そして達成感を味わうにはどうすればいいのか。考えてみました。
まず、なぜ共同研究をするのか。
リサーチグループに所属しているからという理由だけで、強制的、もしくは半強制的に参加させられて、そのテーマにそもそも興味がわかない場合はおそらく、何も学べません(かなり極端です)、なぜなら、自分のやることを出来るだけ少なくしたいからです。テーマに興味があるのか自分に正直になって考えてみる必要があるかも知れません。しかし、博士課程の院生にとっては悩みどころです、その論文が学会やジャーナルに採択されれば履歴書に書けるからです。とりあえずやってみましょう!
第2に、どう研究するのか。
これは役割分担に関することです。アイデアを最初から練り上げる共同研究はとてもいいと思います。メンバー同士がお互いに意見を出し合ってアウトラインを練り上げていく研究は理想型です。それとは対照的に、あらかじめアウトラインが決まっていてあとはそれを実行していくだけの共同研究の場合、その研究の意義や面白さが感じずらくなる危険性があります。後者の場合は、筆頭著者の人が書いたイントロなどを読んで疑問に思ったら質問をするなどの意思疎通が大事だと感じています。学会の締め切りなどで、焦っているととりあえず、自分が割り振られた箇所の論文を読んで、書く、ということになりかねませんので出来るだけ早い行動が自分の学びと達成感を高めるのに求められます。
私の経験
これまで修士論文(アドバイザーとの共同研究)と大学院生の共同研究と、助教授との共著ペーパーを経験してきましたが、修士論文は一番学びが多く、達成感がありました。口頭試問のあとは少し涙ぐむなんてこともありました。今思うと、自分が関心のあるテーマで、アドバイザーの指導を仰ぎながらも自分で読んで最初から最後まで書き通したことがよかったんだと感じています。
これから大学院生(文系や社会科学)になる皆さんへ、共同研究はいいですよ!楽しいです!孤独ではありません!しかし、自分で論文読んで考えることをしないでちょろっとやると何も学びません!
以上、将来の先輩からのアドバイスでした!