政治のお悩み相談所:大学院の物事

政治とコミュニケーションについて研究している博士課程所属のものです。大学はカンザス大学。テクノロジーと政治、政治的分断、ソーシャルメディアによる日常生活と政治の重複などに関心があります。文系・社会科学系大学院生として発信中

論文を読むこと・書くこと

論文を毎日欠かさず読むことは大学院生や研究者の日課だと思います。しかし、最近論文を読んでいて思うことがあるんです。論文を書く為に論文を読んでいるつもりでも、果てしない数の論文に圧倒される。例えば、選択接触(selective exposure)というテーマを選んだとしよう。試しに、Google Scholar で検索してみると約400万件の文献がヒットした。

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Google Scholar 検索画面

これを全て読むのは私には無理です。そこで最近やっているのは書きながら必要な論文を探して読むということです。おそらくこれができるのはある程度の論文を読まないと難しいかもしれませんが、論文テーマが決まればかなり絞れるでしょう。例えば、選択接触ソーシャルメディアでどのように行われているのかを調べるにはsocial media を検索に付け加えればオッケーです。

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いくつか読んでいくとソーシャルメディア上ではユーザー自身とは態度が異なる情報に触れる確率が情報選択が行われたとしてもあるという研究結果が出てきます。それとは反対にソーシャルメディアが政治的態度が似ているもの同士の交流を促して政治的分断が起きているという研究も出てきます。そのようなことを論文で書いていけると思います。

 

結論:論文は闇雲に読むのではなく何を書くのかをうっすら頭の中で考えてから、論文を検索すると論文を書き進めながら必要な論文を読むことができると思います。こうすることで期限内に論文が提出しやすくなるんではないかと思います(実験中)。

論文は書かないと進まない=終わらない=論文を大量に読んでいる意味を見失う=やる気が失せる。このサイクルに入らないように適度なバランスを保ちながら論文執筆を進めていきます。

 

今日の論文

Stroud, N. J., Feldman, L., Wojcieszak, M., & Bimber, B. (2018). The consequences of forced versus selected political media exposure. Human Communication Research, 45, 27-51. doi: 10.1093/hcr/hqy012

Sundar, S. S., & Marathe, S. S. (2010). Personalization versus customization: The importance of agency, privacy, and power usage. Human Communication Research, 36, 298-322. doi: 10.1111/j.1468-2958.2010.01377.x

Wojciezak, M. (2015). Internet, egocentric publics, and extremism. In Gil de Zúñiga, H. (Eds.), New Technologies and Civic Engagement New Agenda in Communication (pp.103-121). New York, NY: Routledge.