政治のお悩み相談所:大学院の物事

政治とコミュニケーションについて研究している博士課程所属のものです。大学はカンザス大学。テクノロジーと政治、政治的分断、ソーシャルメディアによる日常生活と政治の重複などに関心があります。文系・社会科学系大学院生として発信中

英会話は言い回しを増やすべし!

「意味がわからない英語でもそれをリピートしていくことで、英語の回路ができ、赤ちゃんのように言語を学ぶことができます」

これ、信じられますか。

あくまで、私の経験から言うと、まずあり得ないと思います。しかしながら、多くの方は興味を惹かれるでしょう。私自身、〇〇ラーニングという英会話学習教材をとってていた時期がありました。英会話を始めたい、今よりもっと話せるようになりたい、とい感覚は誰もが持っている共通のことだと思います。

もう一度、よく考えてみてください。赤ちゃんが学ぶように言語学習をすることは果たして可能なのでしょうか。このページを閲覧している方は、おそらく赤ちゃんではないはずです。ですので、もう赤ちゃんの頃とは言語処理の回路が違うのです。母語は誰しもが習得できるようにあらかじめ人間の中にプログラムされているという説もあります。(思考と言語論争で詳しく調べることができます)しかしながら、一定の年齢を超えると母語のように無意識に話すことは難しくなります。大人が英語を学ぶときには、赤ちゃん説は通用しないことは、大いに考えられるでしょう。

ではなぜ、赤ちゃん説を信じてしまうのでしょう。私たちは、日本語が母語で特に苦労なく日常生活で使用してます。その経験があるからこそ、信じてしまう可能性があるのです。赤ちゃんが無意識に喋ることができることは大人に通用するとは限らないことを覚えておきましょう。第2言語学習にらくな道はありません。中学校から学習した英文法をまずはしっかり覚えて、それを柱にして、単語学習や英会話特有の慣用表現などを覚えていきましょう。

大人の回路になると、リスニング教材を聞き、そのまま、口に出して覚えることは厳しいと思います。ましてや、文法も知らないのにリピーティングだけをやっても文を自分で作り出すことは出来なくなります。ですので、一回聞いて、聞き取れないものは、放送文(スクリプト)を見て、自分で訳をつけてから、音読、音声と同じスピードに発音できるようになるまで繰り返し練習をすることで、新しい単語や慣用表現を身につけていくことができます。語彙が増えれば、それを文法の中に入れていけば、新しい文を自分で作り出すことができます。あとは、この繰り返しです。

ただし、音声のリピーティングと語彙強化だけをしていても、自分の言うことをすぐに英語で作り出す練習はしていないので、あくまでインプットになりますから、注意が必要です。私は、ある程度、インプットをして大学3年で交換留学に行きましたから、アメリカでアウトプットの練習をすることができました。留学経験がない方で英語を流暢に話すことができる人はアウトプットまで国内でやっているということですから、頭が上がりません。相当な努力が必要です。しかし、逆を言うと、インプットは、国内で十分やっていけると言うことです。そして、最も大切で、当たり前のことですが、インプットがないと英語が話せるようになりません。インプットは、文法、語彙、慣用表現などを組み合わせていくことです。その点から見ると、学校英語や受験英語は基礎(インプット)を作ってくれるのに十分な役割を果たしてくれていると言えます。

最後に、もう一度、強調しておきたいことは、赤ちゃんでない限り、第2言語は、母語と違う言語処理の回路で学習しなければならない。そして、単語や放送文はしっかり目を通して、日本語で意味がわかったものをリピーティングして、リスニングやスピーキングの練習をすること。意味のわからないものをリピートしていても意味がない。以上です。

この記事を書いて、私も、もっと頑張らなくてはと思いました。それでは。