政治のお悩み相談所:大学院の物事

政治とコミュニケーションについて研究している博士課程所属のものです。大学はカンザス大学。テクノロジーと政治、政治的分断、ソーシャルメディアによる日常生活と政治の重複などに関心があります。文系・社会科学系大学院生として発信中

 特別講義 コミュニケーション学 藤巻幸夫

こんにちは、いかがお過ごしですか。本日は、ブログタイトルにふさわしいテーマの本を一冊紹介します。 特別講義 コミュニケーション学 -
特別講義 コミュニケーション学 - 日本は社会格差も大きくなってきており、社会的に個人主義化が顕著に見られるようになってきた。そこで著者は「求心力」が今の社会に必要だと指摘する。その「求心力」引き出すものがコミュニケーション力と断言する。 僕自身、日本人のコミュニケーション様式がどのように変化していくのかとても興味がある。「以心伝心」ということわざから代表されるように言葉を使わずともお互い意思疎通ができるという時代はおそらく徐々に変化する。そこでコミュニケーションの上で大切なことを学べる本書を紹介!
コミュニケーション力とは?
就職活動や社会人に求められる能力の一つにコミュニケーション力があります。なんと、コミュニケーション力は企業が就職活動生に求める能力のうち数年連続でNO1 です。(現在のところはちょっとわかりません)これだけコミュニケーション力が望まれる社会ですが、コミュニケーション力って何かって聞かれると実際、答えに困ると思います。 本書ではコミュニケーション能力をこう定義します。『よりよい人間関係を形成できる力」p14, 「感じる力」p173  よりよい人間関係を形成できる力を具体的に筆者は以下のように述べます。 「狭義のコミュニケーションに通じる部分ー理路整然と話せることや、言葉やビジュアルを用いてお互いの思いをうまくやりとりできることも、もちろん大事。しかし『伝え合う力』をみがいた”だけ”では、周囲からは真の『コミュニケーション能力に長けた人』とは見られない。求められているのは『その先にある力』、だ。私がこの本で示したいのは、伝え合う力をみがくポイントだけでない。『まわりの人とよりよい関係を築くためには』どうコミュニケションを取ればいいか。『心と心が触れ合うような人間関係はいかにして生み出せるのか』。」 本書の視点は人間力にあります。コミュニケーション(意思伝達)のする以前に、人は感情がある。どのように異なった人と心を一つにできるか、そこを本書は教えてくれます。
コミュニケーションには何が必要なの?
心と心を繋げるための手段としてコミュニケーションを用いることを勧めている本書。 それでは、心と心を繋げるには何が必要なのか。それは「ホスピタリティ」だと言います。p21  どんなに言葉がうまく使えたとしても、相手のためになりたい、喜ばせたいなどの気持ちがなければよい人間関係を築くことができないそうです。スキルは後から付いてくるものであるからまずはホスピタリティをみがく必要あり。 確かに、いくら言葉を上手く使おうが、表情をつくったとしても関心がなかったら、それはいつか不意に伝達される。結局のところ、コミュニケーションとは感情、考えを伝えるための手段であるから、技術をみがいても根っこの部分は変わらない。当たり前といえば、当たり前ですが、普段生活していると忙しさのためにそこをないがしろにしてしまうことが多いのではないでしょうか。
まとめ
コミュニケーションとはお互いがwin-winな関係性を構築するための手段であり、もっとも大切なことはホスピタリティ。相手の力になりたい、誰かのためになりたいと思う気持ちからまずは初めてみよう。それ以外のことは意外と必要ないのかもしれない。