中国と日本 集団主義と個人主義
ここ数週間、某新聞の連載記事として中国の二人っ子政策が取り上げられています。
連載初回で思うことがありました。それは、中国のある親は、将来自分たちの世話をしてもらうことを前提に子供を産むことです。その記事から今の日本はどうだろうかと考えました。考えるにあたって、有益な文化理論があります。
それは、Hofstede(ホフステード)という元IBM社員が考案した文化次元(cultural dimensions)です。1980年に発表され現在、心理学やコミュニケーション学にとどまらず幅広く応用されている理論です。6次元の中から最も使用されている1つは「集団主義」と「個人主義」の次元です。これは、あまりにも有名だと思いますが、一応ざっくりと説明しますと。「集団主義」文化は主に個人の利益よりも身内などの利益を優先し集団内の協調を乱さないよにすることに重点を置く文化であり、一方「個人主義」は個人の利益を集団内の利益よりも優先すると言われている文化です。集団主義の国には、日本、中国、韓国、インドやネパールなどがあり、個人主義の国には、アメリカ、イギリスやオーストラリアなどが挙げられます。
記事の話に戻りますと、日本は明るさまに子供に世話をしてもらうという考えは薄く、それよりも子供の好きな事や幸せになってもらいたいと考えるのではないでしょうか。子供に対して家族の利益よりも自分自身のやりたいことを優先してもらいたいという点、日本は中国よりも個人主義は進んでいます。
日本では、不景気の影響もあり、貧困に悩む家庭が増加しています。社会学者の山田昌弘はご本人の「家族難民」の中で子供に対する無償の愛は幻想かもしれないと説き、貧困家庭が増える中で、親自身がまずお金に困らないようにする必要があるのではないかと問いかけています。そうでなければ、安心して子育てもできず、最悪の場合、二度と一緒に暮らすことができなくなります。
最後に、今後経済が成熟期を進むにつれて、時間やお金がある程度国民全体が獲得すると、より一層、個人主義化が加速していくことでしょう。(ホフステード)何が人生の中で大切かしっかり考えていきたいです。